ATコラム

2024.12.20

FA

ステンレス鋼の耐塩性

機械設計における材料選定で、耐塩性や耐海水性が必要な場合にまず思いつくのは、ステンレス鋼だと思います。JISでは、SUS***の記号で表されます。SUS材は大きく分けて、マルテンサイト系(SUS4**)とオーステナイト系(SUS3**)に分けられ、耐塩性に優れるのはオーステナイト系の方です。ただしオーステナイト系は、マルテンサイト系に比べて強度がやや劣る欠点があります。オーステナイト系の中でも特に耐塩性に優れるのはSUS316になります。SUS316は、無塗装で常時塩水に浸かる場合などに使用されます。マルテンサイト系は、単体ではある程度の耐塩性を持ちますが、他種の金属と接触した状態だと、電食が起こり、腐食するケースが多々あります。機械設計においてSUS材を選定する際には、これらの性質を理解しておく事が重要です。単にSUS材という指定だと、マルテンサイト系かオーステナイト系か、分からない事になります。