ATerコラム

2025.07.16

IT

PowerAutomateとPowerBIを使ったPlannerタスク情報の集約閲覧

[背景]
複数のチームをリードする立場の方にとって、各チームのさらに各メンバーがどのような作業に取り組んでいて、また負荷状況についても現況を集約したのもで把握したいというニーズがあるかと思います。

ベースとして、各チーム(Teamsのチャネル)にPlannerを付加し、これを用いたタスク管理が定着していることが前提とはなりますが、そうした前提がある場合に有用であろうと思われる手法の参考としてこの記事をお読みいただければと思います。
もちろん、メンバーの各作業とその進捗・納期の意識づけという点で、これからPlannerの活用を始めるということでも良いかと思います。

 

[前提]

用意するものは下記の2つです。

・SharePointリスト
→ PowerBI WEB版が標準機能として付加されていますので、可視化のためにこれを活用します。
→ 項目列は、チーム名、タスク名、被アサイン者、達成度、開始日、期限日としておきます。
→ このうちチーム名はわかりやすい文言を格納するために使用し、残りはPlannerのタスクからの情報を格納するために使用します。

・PowerAutomateクラウドフロー
→ 各Teamに付加されている対象のPlannerに1つ1つアクセスし、さらにタスクを1つずつ参照します。
→ 情報を拾うタスクの条件としては、被アサイン者が設定されている、また完了度が0または50(未着手か作業中)とします。
→ タスクには複数の被アサイン者が設定されていることがありますので、こうした場合は人数分の行をリストに追加するものとします。

 

[フローの実装]

上記の用意に沿って、PowerAutomateクラウドフローを作成します。アクションは下記の流れで作成します。トリガーは手動でも繰り返しでも良いと思います。

 

①「タスクを一覧表示します」アクション(Plannerコネクタ)

②「ユーザープロフィールの取得」アクション(Office 365 ユーザーコネクタ)

③「項目の作成」アクション(SharePointコネクタ)

 

①では、取得したいグループのプランを指定します。

②では、①で取得できたタスクがアサインされているユーザーを指定します。

→このアクションは、タスクをアサインされているユーザーの表示名を取得するために追加しています。

③で、上記で用意したリストの各項目に、値を設定します。

・①でタスクから取得できたタスク名、達成度、開始日、期限日を設定します。

・被アサイン者は②で取得できた被アサイン者の氏名(表示名)を設定します。

・チーム名はテキストを直接入力するかたちでわかりやすいチーム名を設定しておきます。

 

②と③のアクション追加時に、自動で反復処理アクションが生成されますが、1つ目(外側)の反復構造がタスクに対応するもの、また2つ目(内側)の反復構造が被アサイン者に対応するものになるようフローを整えます。

また、未着手あるいは進行中のタスクのみを抽出したり、アサイン者が未設定のタスクが抽出されないようにするために「条件」アクションを追加し、②および③のアクションをTrue側に配置します。

なお、「繰り返し」アクションを用いて毎日内容を更新する場合は、上記収集アクションよりも前にリストをクリアする「項目の削除」アクションを追加すると良いでしょう。

 

これらの①~③の一連アクションを、収集したい複数のPlanner分作成すると、SharePointリストにチーム別被アサイン者別のタスク行が追加されていきます。

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つづいて、PowerBIによる可視化ですが、こちらは上記リスト画面のメニューから

・統合 → PowerBI → リストを可視化する

を選択することでBIが生成されます。

ビジュアルは適宜カスタマイズして見やすいものにできますが、デフォルトでも十分見やすいものが生成されます。

 

以上で、複数のPlannerから各メンバーのタスク情報を収集し、BIのビジュアルとして把握しやすくなるかと思います。