ボルトの強度計算
機械設計において、2本や4本の複数のボルトで、荷重を支えたい事がよくあると思います。このような場合、ボルトのサイズ(太さ)はどのように決めるべきでしょうか。複数のボルトに均等に荷重が加わるのであれば、ボルトの断面積の合計で荷重を割れば設計できます。しかし実際には均等荷重でない事もあります。複数のボルトの荷重の負担割合が計算できれば良いですが、計算できないか計算が複雑なケースも多々あります。このような場合には、荷重が一部のボルトに集中して加わると仮定して、ボルト断面積から応力を計算し、ボルトの太さを決定する方法が、しばしば用いられます。具体的には、荷重を2本のボルトで支える場合、1本のみのボルトでも支えられるよう、ボルトの太さを決めます。ここで仮に荷重が2本のボルトに均等に加わるのであれば、安全率は2という具合になります。もしこの荷重が静荷重ではなく衝撃荷重であれば、さらに数倍程度の安全率を考慮する必要があります。このように、ボルトが2本あるところ、1本のみで荷重を支えられる様に計算することを、設計現場では「安全側で計算する」と表現したりします。